2024.05.31
海岸の石
糸島の海岸に、手に持った感触がちょうどいい、石ころが、落ちていました。
思わず並べてみてました。 例えば、石が削れて、丸くなっていって、最後は砂になっていく様子です。
この海岸の傍にある、可也山の中腹には、「石切場」の跡があります。そこの案内板には、江戸時代、黒田藩が、この山の花崗岩を、難儀の末、栃木県の日光東照宮まで運んで大鳥居に使われた・・・・・と書いてあります。
この魅力的な石は、黒田藩の自慢でもあったのだろうと思います。しばらく転がして、当時の侍のことを考えていると、「よーし、いっそのこと、関東まで持っていこう!」みたいな気持ちにもなってしまうかもしれません。
石と砂の比喩は、斎藤茂吉の短歌の中にもありました。
「石のべの乾ける砂のごとくにも吾もありなむあはれこの砂」(「暁紅」昭和11年 )
なるほど…、石のそばにある砂、摩耗に伴う痛みや静寂を感じます。